あらすじ

警察官だった父は離婚し、男手一つで幼い娘を育てていた。ある日警察官は何者かに襲われ命を落とす。一人残された娘は懸命に生きながら、父のためにいくつかの「宿題」をこなしていく。

キャスト
シム・ウンギョン


ある日、警察官は、誕生日ケーキを持って家に帰る途中で襲われ、家にたどりついたところで息絶えた。
翌日父の同僚が家を訪ねると、幼い娘ヒジュは、血まみれの父をやさしく撫でながら座っていた。


この幼い娘が大人になり、
シム・ウンギョンさんが演じている。
ヒジュは警察職員でもないのに、
一途に通い、署内を掃除している。
父の同僚が、他の職員からカンパを集め、
ヒジュに給料を渡している。
イイ話なんだけど、セキュリティゆるすぎ...。

ヒジュは警察で「タンシム」と呼ばれている。
韓国で「一途な心」は「一片丹心」。
丹心=タンシム。

同僚のおじさんは父のように接してくれて、
ホッとする存在。
見た目によらず、繊細で優しい。

非職員を事務所に出入りさせたり、
警備員がうっかり情報を漏らしたり、
すごくクセのある顔の犯人を逃してしまったりします。
警察無能すぎ~!
ヒジュの母は離婚した後、自宅の近くで再婚。
新しい夫にDVされていることをヒジュは知っていて、
ある日母の夫を石で殴り殺す。
ほんわかした少女が突然凶暴化。
怖すぎ~!

男性が惨殺され、ニュースになるものの、
ヒジュには容疑はかからない。
ヒジュが母の家を尋ねてみると、
彼女は赤ちゃんの写真を持ち、後追い自殺していた。

ヒジュ「また置いてけぼり...(しょんぼり)」

お母さんは、警察官の元夫が殺された時、
どうしてヒジュを引き取らなかったんだろう?
彼女は新しい夫と生活しながらも、
大切そうに娘の写真を持っていた。

まあ、現実的に考えて、
経済的な理由なんだろうけど、
お母さんもかわいそうすぎる。

もうどうして!
善良な人が無残な最期を遂げるのか、
悲しみ通り越して腹がたつ。
ここだけで1時間ドラマ作れそうだけど、
エピソードの一つとしてサラッと流される。

ヒジュは、テレビでクラシック音楽を視聴して感動したり、
後半のほうでは通販で買った化粧品を嬉しそうに開けたり、普通の女の子のような一面を見せるも、父を殺した犯人をじわじわと追い詰めて復讐していく。
女の子が大人の男を一撃で刺したり、死体を運んだり、矛盾は否めない。

父を殺した犯人の殺害動機は明らかにされない。

日本のワイドショーでは事件について「犯人は激しい恨みがあった」などとセンセーショナルに演出したりするが、それは犯罪を正当化する理由にはならない。

韓国映画では最終的に「あいつはサイコパスだった」みたいな感じで動機を深掘りしないパターンがよく見られる。

それはそれでいいのかなと思う。
悪は最後まで悪として描くブレなさ。

最後救われないんだよなあ...。
ヒジュ「善良な人が何もしないと、悪が勝つ」。
ごもっともだけど、
「宿題」はちょっとやりすぎだよなあ...。

おじさんは警察官としては無能だけど、
父親のようにヒジュを守ってきたのに、
どうして親切心をふみにじったのか。

後味の悪さはあるけれど、
全体的に役者の力量がすごいの一言に尽きます。

「新聞記者」で松坂桃李さんと共演したシム・ウンギョンさんが気になっている人はぜひ。