あらすじ

スーダンで家族を殺された子供達が、安全な地を目指してひたすら歩き、キャンプにたどり着く。そこで13年過ごし、大人になった彼らはアメリカ行きの切符を運良く手にする。

 

広大な草原で、どう猛な動物や、兵士から身を隠しながら歩き続ける。

手ぶらで、裸足で宿も食料も無しで旅するって、どれだけ不安だろう。

先頭に歩いてた子達が兵士に撃たれ、川をぷかぷか流れてきたのを見て

慌てて経路を変えたり、もう生きてるだけで奇跡みたいな状況。 

命を落とした子の遺体の前では、たどたどしい英語で聖書の一節を読む等、

極限状態でも人間らしさを大切にする。

道中足を怪我して立ち上がれない人に出会った時は、

「これ食べて」 とわずかな木の実を渡す。

あと何日生きられるか分からない人にも慈悲の心を忘れない。

血が繋がっていなくても、苦労を分かちあった仲間を家族と呼び、

ひたすら前進。


命からがらキャンプにたどり着き、施しを受けながら

そこでボランティアをし、13年。

やがて医師になりたいと夢を抱く。

13年って。

日本なら小学校に上がって高校卒業し、進路を決める頃だが、

彼らはまだ学校にすら行けてない。

始めるには遅すぎるとか、環境が悪いからやらないとか、 

快適な部屋でブツブツ言ってる人のなんと多いことか。

ジャケット写真右上の白人のお姉さん、

主演みたいな構図だけど

リース・ウィザースプーン(キャリー)は一体いつ出てくるのか。


確かに職業紹介所の彼女の努力で、

スーダンの少年たちの未来が変わっていくという重要な立場であるけれど、主演と呼ぶにはチガウ。「良い嘘」をつくのも彼女ではないです。

 

さて、職業を紹介するのがキャリーのお仕事ですが

いきなりレストランのオーナーに紹介し

「この子たちを雇ってよ」って、無茶振りすぎるわw

オーナーもそりゃ困る。


電話が鳴っても出方もわからない。

キャリーも教えたれよ、と思うんだけど。 


なんとかスーパーに就職できたけれど、

廃棄弁当を貧しい人に分け与えて上司に怒られる。

そこでジェレマイアのセリフがカッコいいんです。

「欲する者に与えないのは罪」

 

難民として来た彼らが白人にいじめらないか

引き離された妹(一般家庭に引き取られる)も

虐待されていないか、ヒヤヒヤしてたけど、

戸惑いながらも周りが受け入れてくれて、アメリカも捨てたもんじゃないな。


最初の重苦しい長い旅路があってこそ、後半じわじわ好転していく様が活きる。

物語全体のテーマが「優しさ」。

役者が元少年兵と知って、一層重みを増す映画です。