あらすじ

原題:불한당(不汗党 読み方はプランダンで、ならず者の集団というような意味)。
裏社会のトップをめざすジェホは、服役中の刑務所で青年ヒョンスと出会い、固い絆で結ばれる。出所後、二人は犯罪組織を乗っ取ろうとするが、信頼の裏に潜む真実が発覚し、切ない運命が加速していく...
「名もなき野良犬の輪舞」

イム・シワンという俳優

「ミセン」では、ちょっと頼りなくて、筋肉質ではない、ザ・普通のサラリーマン役。
「弁護人」では、暴行を受けてガリガリに痩せて可哀想な大学生役。
そして「名もなき野良犬の輪舞」ではバキバキ腹筋の武闘派に変身!BTSのジン君をもっとクールにした感じで顔面も完璧!

ソル・ギョングという俳優

薬の密売で服役しているジェホ(ソル・ギョング)。
刑務所内ではタバコの密売でハバを利かしています。
パワー系じゃなくて頭脳系のワルで、自分の利益のためなら冷酷な男です。
王様状態だったジェホ、刑務所に後から入って来た、くりからもんもんのホ・ジュノとタバコの流通権をめぐって、バトル勃発。
バトルというか縛って痛めつけます。
果てしなく卑怯。
ホ・ジュノという俳優、アクが強い顔で大ベテランなので、メインキャストかと思ったら、あっけなくショック死。

ジェホより怖いコ会長

表向きは海産物の輸入商のコ会長。
実際は魚と一緒に違法薬物の売買をしています。
表向きは健全な会社を装っているのでTVCMなんかもあったりして、そのCMのセンスが、あの夢ぐるーぷを彷彿とさせます。
唐突なクソダサCMが流れ、場の空気が変わります。
なんやこれは。
コ会長は、かつてはジェホを弟分のように可愛がっていました。
しかし、ジェホは人を殺す時でも目を見るというサイコパスな一面がありました。「ジェホってヤバくね?」と周囲に思われ始め、コ会長は自身を脅かす存在になるのでは?と殺そうと考えました。
刑務所で因縁の対決をした「コワモテくりからもんもんホ・ジュノ」は、コ会長の差し金だったのです。
そんな彼をあっけなく倒してしまったジェホに危機感を抱くコ会長。

病気のお母さんのために

服役中の青年ヒョンス(イム・シワン)は、実はエリート刑事。
上司に、
「ヒョンスの母の透析治療費と手術の手配を全部やるから、刑務所に潜入して来てちょ」と言われたら、引き受けないわけにはいきません。
潜入後しばらくして、母の入院日が決まりました。
しかし、不幸にも交通事故により、帰らぬ人に。
「出してくれ!」と訴えるヒョンス、出所は許されませんでした。
ジェホの計らいで葬儀のため1日だけ外出することができ、母と無言の対面を果たしました。

手段を選ばないヤクザと警察の泥仕合

母を殺したひき逃げ犯は見つかったのか?と上司に詰め寄るも「今調べている」となかなかハッキリした答えは聞けません。
そして最後に驚愕の事実が明かされます。
この交通事故の首謀者はジェホだったのです。
潜入捜査中にターゲットと仲良くなるのは良いとして、「お母さんが病気でさ〜」ってしゃべったのか!?
ヒョンス馬鹿なの!?
ヒョンスはジェホが母を殺していたことを知り、怒り心頭、そして絶望します。
母の復讐と麻薬取引の犯人逮捕のため、ヒョンスはジェホを呼び出します。
ジェホは、周囲を警察に取り囲まれていることをいち早く気付き、ヒョンスに銃を向けますが、「兄貴兄貴」と慕ってくれたヒョンスをなかなか殺せません。
結局ジェホは、警察の目をかいくぐり脱出します。
外で待機していた警察チーム長が、ジェホを車で普通に轢きます。
撃つのではなく、はねる!
一応まだ死んでません。
お母さんを失ったヒョンスへの気遣いもそこそこに、仕事のことしか考えてない鬼上司。
そこにヒョンスが登場、鬼上司にこき使われた恨み、母の敵を最後まで教えてくれなかった事への不信感から、銃で撃ち抜きます。
しかも5発以上。
相当な恨みです。
この画像、ラストシーンなんだけど、ここをサムネにする?ネタバレすぎる。
そして、車にひかれて倒れているジェホの手に、銃を握らせてチーム長殺害の罪を着せ、とどめをさして立ち去ります。
刑事でありながら2人も殺してしまった彼の運命は?
不幸な生い立ちで人間不信でヤクザになるしかなかったジェホと重なってしまいます。

やるか、やられるか

潜入捜査物では、刑事が悪に染まったり、無関係な人が巻き込まれたり、ありがちな展開ではありますが、最後まで男たちの闘いがメインで、恋愛要素とか無駄なシーンが一切ないので途中で飽きることなく一気に観れました。
嘘、かけひき、裏切り、下克上、ヤクザ物の美味しい場面がてんこもりな映画です。
名もなき野良犬の輪舞