めくらのお市物語 真っ赤な流れ鳥
古すぎてレビューしても観る人いないかもと思いつつ、いろいろ衝撃すぎるので書いちゃえ。
お市の母ちゃんがひどすぎる。
悪い男と一緒になるために「恨んでおくれ...」と言い、家を出る。
嵐の夜に母親に捨てられ、失明し、じいちゃんに拾われ、
幸せに暮らしていたが、ある日じいちゃんは殺されてしまう。
じいちゃんを殺されてアッタマきたお市、
大きな声で「じいちゃ~~ん!」と泣き叫び、
刀をぶんぶん振り回す。
こんなに不幸なのに、お市、あまり悲壮感がない。
面長で目がぱっちりした松山容子さんの美しいお顔のせいだろうか。
ま、まゆげ長い...。
白塗りの化粧も時代劇をずっと見ていると慣れます。
通りすがりの剣術の達人が、かわいそうなお市を見て剣術を教える。
親切で奇特な人。
お市は大人になり、偶然出会った「賞金付きの年寄り」を助ける。
お市「じいさん、ところでいくつなんだい」
爺「へえ、50と3になります」
お市「私のじいちゃんも生きていれば...」
若いお市から見たら、53ってじいさんなんだ...。
令和の50代若すぎ...。
その年寄りは兇状持ち(前科があって追われている)で、
泣く泣く娘を捨てた過去があった。
何年か経ち、捨てた家にこっそり見にいくと、
娘はおよねと名前をつけられ、
貧しさのあまり遊女に売られるところだった。
かわいそうな年寄りの娘を助けるために、お市は一肌脱ぐ。
賭場で一稼ぎし、およねを買い戻そうとする。
剣の達人となったお市、夜道で命を狙われそうになっても、
一撃で敵を倒す腕前となっていた。
振り向いたら、赤いペンキのバケツをかぶったように、
頭が真っ赤になった敵が倒れている。
血の量すごい...。血じゃねえ。ペンキかケチャップか。
遊女を管理する悪徳おかみを見つけ出すと、お市の産みの母だった。
血も涙もない女かと思いきや、目の前に突然娘が現れて動揺する。
「お前の母だ」と言えず、静かに涙ぐんだ。
鬼の目にも涙!
肝心のおよねは土蔵に閉じ込められ、殺されていた。
およねを助けるため、年寄りは土蔵に忍び込んでいたが、
間に合わず、かつての盗賊仲間の伝蔵に殺された。
お市を育てたじいちゃんを殺したのも伝蔵だとわかった。
遊女の置屋の土蔵を飛び出し、お市は伝蔵を見つけ出す。
いつのまにか草むらで一対一の決闘。
どんだけ走ったんだ。
時代劇あるあるだけど瞬間移動したように場所が変わる。
松山容子さん、殺陣が上手ときいていたので楽しみにしていた。
すごい引きのアングルでいざ決闘。
そんな遠くからカメラ撮る?
本当に上手い人じゃないと、このアングルでの撮影はないぞ。
華麗に立ち回り、伝蔵を追い詰めた。
強い!
敵が斬られると、その場に倒れると思うでしょう?
お市が強すぎたのか、敵は木の枝にひっかかってる。
いやいや、飛ばねえよ!
ちょうどいい所に、樹木が一本生えてねえよ!
お市ひとりで、およね親子とじいちゃんの恨みを晴らした。
善人風の人が裏では悪いことをしていたとか、
作者の都合で人物の性格や強さが変わったりすると、
途端につまらなくなる。
かわいそうな人、悪い人、助ける人がはっきりしているのが良い。
ナレーションが少なく、人物に「これこれこうでした」と
説明させることもなく、誰が観てもシンプルに勧善懲悪。
悲しい末路をたどる人が多いが、お市の行く末に幸あれ...と願うのであった。
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