あらすじ

市が旅の道中、赤ちゃんを抱いた女性が目の前で斬られて死んでしまう。女性が持っていた手形から、旦那の借金のために旅籠で出稼ぎをして帰る道中だったことを知り、赤ちゃんを抱き、旦那の家まで送り届ける旅に出る。

「騒ぐんじゃねえ、
背中の赤ん坊が寝てる間に
いつ抜き、どう斬る居合の新手!」

キャッチコピー格好よすぎませんか。

イクメンなんて言葉がなかった時代

盲目のヤクザが、どうやって面倒みるのかと思っていたら、
乳飲み子を抱いた夫婦から、母乳をわけてもらい
かかしの着物や、のぼりをやぶっておしめをこさえ
おもゆをもらって水筒につめて持ち歩く。
ちゃんと育児やってる~!
コミュ力高し。

おしめを替えている最中に敵に狙われ、
居合で敵をバッサバッサと斬る。
周りでバタバタしてるのに赤ちゃん泣かない。
エライ。

たまごクラブ、ひよこクラブ、ばくちクラブ

市がお金を稼ぐ方法といえば、あんまか博打。
さらしを巻いた市が、
赤ちゃん抱っこして賭場で座ってる絵ヅラ、すごく良い。
「丁か半か...おーよちよち...丁!」
「ちょっと待ってくださいよ、おしめ替えますんで」
「うんのついた手で、賭けますよ」
ほのぼのしちゃうじゃねーか!
市は、一匹狼のイメージがありましたが、
困っている人を助け、助けられて旅をします。
旅の途中で出会ったスリの女を助けたことをきっかけに、
彼女を雇います。
やはり、目が見えないと不便なこともあるようです。
彼女も、最初は金目当てでしたが、
子連れで宿に泊まる時は、
本当の夫婦のようになっていました。
(恋愛感情を超えたなにか)

本音は子供を父親に返しに行きたくない

子供は手間がかかって嫌いだよ、と言いつつ
赤ちゃんの小さい手をつかんで、自分の顔にあてます。

「おじちゃんは、お前の顔を見ることができないからね、
お前が覚えておくんだよ。
ここが、口。
ここが、鼻。
ここは....ないんだな。(目)」

こんなん泣いちゃうだろ(´;ω;`)。

適当に「太郎」とか呼んじゃいそうなのに、
市は、子供に名前をつけなかった。
父親に返さねばならないという使命があったから。
おしめかえて、もらい乳をあげて、悪党から守り、
最後はきれいな着物を買い与え、
それはそれは、かいがいしく世話していたが、
一度も、名前で呼びかけはしなかった。

子どもの実の父親はクソ男だった

実の父親の宇之助(ヤクザの親分だった)のもとに返しに行くと
「女房はいねえ、赤ん坊なんて知らねえ」
と、これがヒドイ男で!
 
市は自分が育てることを決心する。
お寺に、お母さんの形見の髪の毛を納めに行くのですが
(こういうところ好き)
和尚さんに優しく諭されます。
 
「目は見えないし、ヤクザだし、独り者だし、
子どもがいつも安全でいられるか?
子どもはお寺に預けなさい」
 
市の首にはいつも賞金がかかっている。
子どもの父親の宇之助までも、命を狙って追ってきた。
決心して寺に預け、市は宇之助達との戦いの場に行く。

市の居合斬りの腕前にかなうものはなく、
宇之助、大ピンチ。
命乞いし、
「子どもはちゃんと育てる」
と言い、後ろから斬りかかろうとした。
もう本当にクソ男。

前半はずっとほのぼのとして、
優しい笑顔で赤ちゃんを見る市に癒された。

赤ちゃんが無事安全なところに収まったので、ホッとしたけど
座頭市の最後はいつも切ない。
冒頭と旅籠で2回ほど楽しく会話した、
「善光寺参りのめくら集団」とは、
最後は言葉を交わさず、すれ違う。
最後にあの人達を持ってくるのが秀逸。

出会うはずのなかった市と赤ん坊。
そして、めくらの集団。
明日からはまた他人同士、
新しい道を歩み始める。

冒頭、セリフ1行くらいで亡くなった母は、
きっと浮かばれただろう。
あの赤ちゃんが大きくなった時、
おじちゃんのことを覚えているといいなあ...。

日本の名作映画を定額見放題にする方法

アマゾンプライム会員以外は、レンタル料金は1本400円ですが、
アマゾンプライム(¥500/月額)+シネマコレクション by KADOKAWA(¥396/月額)で
なつかしの時代劇映画(主に大映作品)が見放題になります。
(大映は、1942年から1971年まで存在した日本の映画会社。その後角川書店が権利取得)
無料お試し期間あり。
レトロ作品から掘り出し物が見つかるかも!?