シグナル スペシャルドラマ
出演:坂口健太郎、吉瀬美智子、北村一輝ほか
2021.3.30放送(カンテレ・フジテレビ系)は、
元ネタは、シグナル(韓国版)の7話と8話をリメイクしています。

韓国版ジャケ写がえらいシンプルでなかなか観る気しなかったんだけど、観てみたら予想外のおもしろさ。

日韓比較していますので、盛大にネタバレレビューです。

韓国ドラマのリメイクですが、
容姿の雰囲気が近い俳優を起用しセリフや行動もほぼ忠実。

主人公の若き警部補(27歳)は、
兄が冤罪で少年院に入った後自殺し、
家族がバラバラになるという悲しい過去があるのですが、
坂口健太郎は陰のイメージが足りない。
さわやかすぎない?
塩顔イケメンなので、画面に華があって良いと思います。

そして、キム兄はなんか違う気がする。
ガラが悪すぎる。
ほかにおらんかったのか。

シグナル スペシャルドラマ あらすじ

20年前に自殺したはずの婚約者が生きていると、カメラマンの武田(古川雄輝)が訪ねてくる。20年前に貯水池で遺体が発見され、遺族は遺体の確認をし、すでに火葬されている。では、遺体は誰だったのか?

(日本版)犯人は建設会社社長の石川

女優の卵だった彼女は、
元警察官で建設会社社長の石川匠(青木崇高)とパーティーで出会う。
他の女の子達は、
パーティーに行くとお金持ちと出会えて、
おこづかいももらえると喜んでいるが、
彼女は終始つまらなそうにしている。

石川は嫌がる彼女をレイプし、動画を撮っていた。
後日、彼女は「ビデオを返して」と乗り込んでいくが、
石川が、何者かと電話で「人を殺した拳銃は処分する」
と会話しているのを聞いて、
とっさに拳銃を探して盗む。
人がいるのにそんな電話するか?

(韓国版)女優の卵を殺した犯人は、大盗事件の容疑者

石川匠(青木崇高)が、
チャラい態度でいかにも憎たらしいキャラクターなのに対し、
韓国版の犯人は検事長の息子で、弁護士のハン・セギュ。
高そうなスーツを着て、見た目は紳士。

韓国版シグナルでは
「自殺したはずの女性が実は生きていた事件」
とは別に6話以前で「大盗事件」が起きている。
「大盗事件」とは、富裕層を中心に起きた窃盗事件。
頑丈なセキュリティの豪邸に入れるのは身近な人間だけ。
被害者宅の息子達が共謀して行った犯罪で、3件も事件を起こした。
後日「好奇心で3回も盗みに入るか?」という違和感に刑事が気づく。

7話の前半でサラッと流れた重要なエピソード。
「ハニョン大橋の崩落事故でセガン建設の汚職を調べていたらチニャン市開発に関わる大規模な汚職事件が関係している」
「大盗事件の被害宅は、この汚職事件と関係がある」
「ハニョン大橋の崩落事故」で、娘を亡くした配達員が「大盗事件」で誤認逮捕され、別の事件につながっていくのスゴイですね~。一つ一つのエピソードが実に細かい。
韓国ドラマの警察無能すぎて、誤認逮捕多すぎ~!

話もどします。
泥棒仲間のボンボン達は、最終的には仲違い。
ハン・セギュがパーティーで女優の卵をレイプし
麻薬をしているところを他のボンボンが撮影。

「検事長の親父に言って、汚職事件の捜査をやめさせろ。
ビデオを公開したらお前は刑務所行き。」


と脅す。
ビデオの件で最初に困るのは女性じゃなくて、検事長の息子!
ここが日本版と違うところです。
ハン・セギュは、誰の家にビデオがあるかわからず、仲間の家に計3回、盗みに入る。
物盗りと思わせるために、ついでに青いダイヤのネックレスも盗む。

(韓国版)女優の卵が盗んだもの

韓国版でも女性が「ビデオ返して」と一人で乗り込んでいく。
なんと勇気のある!
お金持ちハン・セギュはビデオは返さないが、
なぜか青いダイヤを見せる。
お前は一生手に入れることができない品だと。
嫌な奴ですね~。

彼女はとっさに青いダイヤを盗んで逃走。
若い女性が窃盗するなら、
やばそうな拳銃よりダイヤのほうが自然だろう。
このダイヤのネックレスの箱の裏に、
汚職事件の証拠のフロッピーが入っている。
女性がダイヤのネックレスを質屋に持っていくと
「最低でも8000万ウォン」と言われ、
謎のフロッピーは彼女のバッグへ。

質屋のおじさんも
「わ~お金持ちの彼氏にもらったんだね~」
とのんきな対応。

警察に届けないんですね~。

彼女はこのフロッピーを悪徳刑事に渡してしまい、国外逃亡。
そして汚職事件は一旦闇の中。

女優の卵の友人が間違って殺される

間違って殺された友人が自殺扱いになり、
女優の卵は友人になりすまして20年生きるが、
母が危篤で帰国するというストーリーは同じ。
日本版のシグナルで逮捕された石川(青木崇高)が
最後自殺するのに対し、韓国版の犯人は死にません。
また、親父の力で
どこかでのうのうと生きているのかもしれません。

日本版と韓国版の違い

1つの事件だけでなく、全編で話が行き来します。
さらに過去と無線で通信するトンデモ設定なのに、
主人公ご都合主義で必ずハッピーエンドでもなく、
ちゃんとハラハラする。

最初のほうの伏線も時間をかけて回収します。
韓国ドラマでは、
金と権力がある人が真犯人っていう設定が結構あって
痛烈に皮肉っています。

1話がCMなしで70分以上あるし、
いろんな事件が出てくるし、
日本のドラマみたいに、
「丁寧なナレーション」や
「犯人が最後に罪をベラベラしゃべるシーン」
がないので集中して観ないといけない。
でも、ちゃんと観ていればわかります。
もやもやした謎が徐々に解ける瞬間は
超絶スッキリー!です。
2021年4月公開の「シグナル」映画版(坂口健太郎出演)もとても気になりますね!