座頭市関所破り
あらすじ
旅の途中、座頭市は、新助と名乗る旅人から旅籠(はたご:旅館)にいる女に手紙を渡すよう頼まれる。住所も書いていない手紙を、見ず知らずの人に預けるのもすごいが、無事旅籠について手紙を届ける市もすごい。
年末から松の内(正月の門松がある間)1月15日くらいまで、
旅芸人達が宿泊する旅籠は大にぎわい。
二人組でアクロバット芸をする子供もいて、商魂たくましい。
今でいう、カウントダウンコンサートみたいなもんでしょうか。
たぶん違うけど。
座頭市も旅籠にきたけれど、部屋が空いていない。
旅芸人の女座長と、
行方不明の父を探す娘、お咲(高田美和)が泊まる部屋に、
相部屋をお願いする。
全員初対面。
ありえね〜。
「目が見えないから、女性の部屋に泊めてもらえてありがてえ」
やけに嬉しそうな座頭市。
市はセクハラおやじではないので、ご安心ください。
宿で休んでいると「広間に集まってくれーぃ」と呼ばれて、
芸人達は法外なショバ代を要求される。
ブーイングが起こるなか、中田大丸ラケットが軽妙な漫才で場を沸かせる。
後に、市は「お咲の行方不明の父を殺したのは、最初に手紙を預けた男」と知る。
お前さんが探している父親が死んでいるなんて、言えねえよなあ、と悩む市。
市は、優しくて純粋。
娘が拉致された時、アクロバット少年は後をつけて、
関所にとらわれていることを盲目の市に教える。
周りの人たちが、ごく自然に関わってくるのが良い。
子役がうまいです。
娘が、無事家に帰れるよう、市は道案内と護衛を第三者に頼む。
頼まれた人が悪党とグルで、娘が誘拐されるまでが毎回のテンプレ。
市は、賭場で人の酒をくすねる老人に出会い、
善人か悪人かもわからない老人に、道案内を任せる。
案の定裏切って娘が誘拐される。
市は、この老人に父親の面影を思い浮かべ、老人の罪を許す。
座頭市が関所に乗り込むと、30人くらいの敵が取り囲むが、
得意の居合斬りで、リズミカルに倒していく。
さすがに全員は斬れません。
「はっ、俺、助かっちゃった」みたいな顔をした男は、
正面から行くのも怖いので、
慌てて倒れて死んだふり。
市は気配に気づくが「あっちへ行け」というジェスチャーをして見逃す。
刀を捨てて戦意喪失した人は斬らない。
瀕死の人を足で蹴るとか、最近の映画でありがちな残酷な仕打ちはない。
市が通り過ぎる時、死んだふりマンが他に2人ほど。
じっとしているつもりでも、手が震えていたり、
数秒のシーンでも、無駄がない。
一件落着し、お正月を迎える日。
お咲と少年達は宿で市を待つ。
市は一人で(見えない目だけど)ご来光を拝み、
また旅路へと立った。
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