”私はスージー・サーモン。

お魚みたいな名前の女の子。

私は14歳で殺された。私は殺した犯人を伝えたい。”


不思議系ファンタジーかと思いきや、リアルな事件とリンクする。

今でもアメリカでは、行方不明になる子供の事件は後を絶たず、

その遺族への鎮魂とも言える物語。


シアーシャ・ローナン

父 マーク・ウォルバーグ、母 レイチェイル・ワイズ、

祖母 スーザン・サランドンという豪華な家族。

CGは綺麗。

1970年代のファッションが素敵。

社交的な近所の普通のおじさんが

やたら手先が器用でドールハウスこさえたり、

子供が喜びそうな秘密ルーム作ってたり、

この人、仕事してるんだろうかと思うんだけど、

すごいド鬼畜です。このおじさん。


残虐なシーンはないし、死体も映らないのですが、

犯人がこのおじさんだとわかるような描写になっています。


スージーは自分を殺した犯人を伝えたいのだけど、

あくまで「普通の女の子」なので

霊力で復讐したり、犯人を知らせるとか何にも出来ないんです。


父親が隣人を疑い始め、ボコるのかと思いきや、

感情的になってドアを壊しただけ。

なぜか、草っ原でイチャイチャしてる若者に殴られたり、

マッチョでタフな役が多いマーク・ウォルバーグが、

ただの優しい普通のお父さん。

無駄筋肉。


登場人物全員、ものすごい「普通」。

死後の世界と思われるシーンでは、

美しい幻想的な風景が続き、

すごい昔の、丹波哲郎の「大霊界」をなぜか思い出した。


スージーの力ではなく、

妹の奮闘で証拠を掴むんだけど、

妹有能すぎる。

観ている側としては、犯人が法で裁かれることを望むだろう。

でも、裁かれない。


冒頭で祖母が

「仏教の世界では人助けをした人は長生きする」

と言っていたのに、

報われず残酷に殺されるってどういうことじゃ!


最後にある方法でボーイフレンドと再会できるのだけど、

あれが「彼女の唯一の希望」だとしたら、

えっ?それ?って思う。


それが「普通の14歳の女の子」だと言うなら、

そりゃそうかと思える。

でもやっぱり、えっ?そんな終わり方するの?ちょ待て!

ショベルカーでおじさんにぶつかったろか?ってなったわ。