タイフーン
この映画は「戦争物」とか「姉弟愛の物語」とか、
カテゴリー分けするのが非常に難しいです。
どんな映画?と聞かれて、答えに困ってしまいました。
登場人物は少ないながらも、次から次に事件が起こりすぎです。姉さん。
キャッチコピーは「その深き愛と哀しみに世界が泣く」と書いてありまして、
泣きのツボは生き別れになった姉弟の再会シーンだと思うのですが、
やたらとアツイ海軍大尉カン・セジョン(イ・ジョンジェ)が
海賊シン(チャン・ドンゴン)を追って、
台風の吹き荒れる船でドンパチやるシーンが一番の見所・・・かも?
イ・ジョンジェ、頭が良くて男気溢れるアツい奴なんです。
なぜか初登場シーンは海で遊んでる場面でした。
あの裸シーンはサービスカットなんでしょうか?鍛え過ぎです。
チャン・ドンゴンは海賊のボスなので、撮影のために7kg減量してゲッソリしてます。
海賊にしては黒いタンクトップにパーカーという軽装で少し違和感を感じましたが、
彼が海外へ飛び、スーツに眼鏡をかけて変装するシーンでは
「着慣れないスーツを着たウサン臭い男」を見事に演じていました。
元々二枚目俳優だから汚い役柄をしたって
やはりキレイにまとまっちゃうんだろう、と思いきや、結構汚れてる。
姉(イ・ミヨン)は体を病んでいたのですが、
病気っぽいメイクではなくノーメイクみたいで、本当に顔色がドス黒く、
ちょっとむくんでるように見えました。
北朝鮮を亡命して「南」のお友達と新しい生活を送る事を夢見た少年は、
亡命を拒否され、家族を殺され、母国に対し絶望します。
優しかった少年は、圧倒的な強さを誇る海賊へと変貌しました。
弟思いでどんなときも気丈だった姉はロシアにたどりつき、
麻薬に身体を蝕まれ、病で余命いくばくもない状態になっていました。
「亡命」。日本人には実感の湧かない言葉です。
朝鮮戦争勃発後、北朝鮮と韓国は現在も分断状態が続いています。
自国民同士でなぜ殺し合うのか?
海賊シンは、敵に「なあ同士」と語りかけ、彼を追うカン・セジョン大尉は
「生まれ変わったら友人になりたい」とつぶやきます。
この2人は闘いながらも、友情?が芽生えてしまったようですが、
シンは罪を償うことを拒絶し、破滅を選びます。
「この世界、腐ってると思わないか?
俺たち同じ言葉を話しているのに!
今度生まれ変わったら・・・」
この言葉の重みは、朝鮮半島に生まれた人にしか共感できないのかもしれません。
日本も含めて、歴史の中で何が起こっていたのか、私達は知らなさすぎる。
何千万人もの犠牲の上に今の平和があるということを再認識しました。
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