幼い頃に置屋に売られた千代が、

花街で一番の芸者「さゆり」に成長するまでの物語。

少女が置屋に売られた直後から

急に英語になったので

どどどうなってるの?と戸惑いました。

置屋の「おかあさん」「お姐さん」「旦那」

だけは訳せないのか日本語でした。


アメリカ人はアジア人が同じ顔に見えるのか、

日本人を演じているのはほとんど中国人。

英語が堪能な日本人俳優は

少ないんだなあ。


父母はどう見ても日本人だったのに、

さゆりだけ青い瞳だったのが不思議。

中国人、韓国人女優は長身の人が多い。

体は華奢すぎるし足は長過ぎるし、

着物にはちょっとなー、って感じ。

売れっ子芸者の初桃(コン・リー)はモロ中国人顔。

迫力ありすぎて芸者より怪談物に出てきそう。

日本髪もちょっと西洋風。これはこれでかわいかったけど。


「あの方に会えますように、と神に祈りました」

のシーンは西洋なら十字を切ってアーメンですが、

ここは日本なので

賽銭箱にジャラジャラと小銭を入れ、

紐をゆらすとゴーン!

え?ゴーン?大みそか?

(※余談ですが、現在は落下事故防止のため、

鈴を設置していない神社が多い。

二礼二拍手一礼するのが正しい参り方。)


桃井かおりは、英語だろうが日本語だろうがあのしゃべりなんだな。

モモイはやっぱりすごいな。

さゆりと同期の芸者おカボを工藤夕貴が熱演。

なんなんだこの名前・・・。

字幕だと「おカボ」だけど音声ではパンプキンだもん。

この人、年取らないね。

時代の流れで最後は娼婦のようになってしまいます。


チャン・ツィイーの清楚ではかなげな表情が、

日本人の好みにぴったりマッチ。

のっぺりとした顔立ちが派手な着物と喧嘩せず

良かったと思います。


渡辺謙は足長おじさん的な存在で、

いつもさゆりを暖かく見守り、彼女も慕っています。

それに引き換え、

気難しい事業家「ノブさん」役所広司は切ないなあ。

さゆりを愛しているのに

全く振り向いてもらえません。

渡辺謙は粋だが、美化された理想的な日本人像ですね。


外国人が撮った「日本」にしては丁寧に作り込まれています。

さすがにチョンマゲは出てきませんでした。

最後は心が暖かくなる映画です。