DVDに「音声解説」というコンテンツがありました。


最近の映画には、俳優へのインタビュー映像や

写真ギャラリーがオマケとしてついている場合が多いです。

時間は長くても30分位が一般的。


しかし「ロスト・メモリーズ」の音声解説はなんと2時間もありました。


本編の映像をバックに、

チャン・ドンゴンと、イ・シミョン監督と音楽担当のイ・ドンジュンの3人が

対談形式で解説をしています。


映画音楽はクラシックを基調としていて、

ラテン語のコーラスが美しく、激動の時代をうまく象徴していました。

コーラス抜きのオーケストラ演奏の部分もあり、

ストーリーの稚拙さを、この音楽家が補っている、

といっても過言ではないような気がします。。


しかし、この対談はつまらねーつまらねー。

銃がたくさん出て来る映画ですが、

銃の型式とか、どこから輸入したかとか、

銃オタクかと思われる監督の自己満足と日本に対する愚痴。


日本は撮影許可が撮れない場所が多く、映画制作者にとって劣悪な場所とか、

銃を構える時、チャン・ドンゴンに瞬きを制限させたとか、

この映画はアップのシーンが多いのですが、

ドンゴンちゃん、目を見開きすぎてウルウル涙目ですよ。かわいそうに。

本人も「他の俳優は瞬きしてましたよ」と反論してました。


ドンゴンが血を流して歩くシーンは、新宿で隠れて撮影したそうです。

それを見て誰も叫ぶ日本人は一人もいなかったそうで、不思議がっていました。

あと、一介の警察官である仲村トオルが、立派な日本庭園があり、

和風旅館のような生活感のない家に住み、

家では着物を着ている。

どう考えてもおかしい。妻も常に着物姿。


監督曰く、実はこの家の撮影場所はお寺だそうです。

家族と純和風の家で暮らす仲村トオルと、

独身でマンション暮らしのドンゴンの対比を描きたかったというが、

逆に生活感なさすぎるワンルームマンションで

極端なんだよ!


仲村トオルがドンゴンに

「日常的に民族衣装を着る事に対してどう思うか?」と尋ねたら、

「違和感がある」と答えたそうです。

監督を痛烈に皮肉ってる。


ドンゴンの父親も警察官で、父はスパイ容疑をかけられて同僚に射殺された、

という設定でした。

父が亡くなった後、親がわりになってくれた伯父さんが、

寿司折りを持ってマンションを訪れます。

伯父さんは「誕生日おめでとう、坂本」を言いにきたようですが、

息子のような存在なのに「坂本」はないだろー。

しかも誕生日に寿司折り1個はないだろー。

韓国映画での相手の呼び方はほとんど下の名前とか「兄貴」とか「同志」ですよね。

ペ・ヨンジュンに「おーい!ペィ!」って絶対言わないと思う。

この映画は苗字呼び捨てが多くて、場合によっては違和感ありまくり。


対談は、うまくまとめる司会者がいて初めて形になるけれど、

ただ3人がダラダラしゃべっているだけなので、

字幕を読むのが苦痛でした。しかも2時間も。

ドンゴンはきっと、この監督とは1度や2度ケンカしてる。あまり同調していない。

監督は「ドンゴンさん、日本語お上手でしたね」とか

「美男子ですね」とかオベッカ言ってるし。確かに美男子ですけどね。

白々しい。

ドンゴンは理解していない言葉を丸暗記しても台詞に感情がこもらない、

という事に気づきました。

仲村トオルにテープに吹き込んでもらって特訓したそうですが、

ドンゴンはたぶん出来映えに納得していない。

喜んでいるのは監督だけ、という気がしました。